今日6/1から、三島由紀夫作、蜷川幸雄演出『近代能楽集』の幕があきます。
私が初めて藤原君を観た舞台です。今回は再演となります。
☆『卒塔婆小町』
出演:壌晴彦 高橋洋 他
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一人の若い詩人(高橋洋)が夜の公演で浮浪者の老婆と出会った。老婆に素性を問い掛けた詩人に九十九才の老婆は答える。
「むかしは小町と呼ばれた美しかった女さ」
詩人は老婆に、八十年前の話をしてくれと頼む。
かつて美しかった老婆の昔の話を聞くうちに、老婆はかつての美しい小町となって、詩人に一緒にワルツを踊ろうと誘うのだが・・・
老婆が時間(とき)経て、絶世の美女に変わって、青年が恋に落ちるというドラマチックな物語。
私が観た時は詩人の役は洋さんじゃなかったから、今回初めて洋さんの詩人役を観る事ができる。藤原君の「ハムレット」でのホレイシオ役を観てから、洋さんの大ファン!
舞台をよく知らなくても、うまさがわかる。台詞の声や、細かいしぐさなどの動き、どんなお芝居の中のどんなキャラの役でもこなしていく。
いつも違う洋さんをみせてくれる。
最後には若く美しい小町となってみえる老婆と詩人との美しいダンスをするところがある。演出が以前とお同じかはわからないけど、洋さんがどんな素敵な詩人を演じてくれるか楽しみでしょうがない。
☆『弱法師』出演;藤原竜也 夏木マリ 他
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東京大空襲で炎で目を焼かれ、光も両親も失った5歳の美少年俊徳(藤原竜也)。 そんな彼を、育ての両親は蝶よ花よと育てた。それから15年後、実の両親が俊徳の前に現れる。
育ての親と、離ればなれになった生みの親とが俊徳の親権をめぐり家庭裁判所で調停委員の桜間(夏木マリ)をはさみ話し合いがもたれる。
しかしそんな中、彼の心を蝕むのは、空襲で炎に目を灼枯れたときに見た「この世のおわりの景色」の幻影だけだった。
凛とした真っ白なスーツで藤原俊徳はとっても美しく、誰からも愛される雰囲気をもって登場する。 どちらの両親に対しても感情を表にだすこともせず、たんたんと両親達の話し合いが進んで行く。ただ時間が過ぎて行く中、桜間が窓の外の夕焼けに感嘆の声をあげた瞬間、俊徳は5歳の時に炎で目を焼かれた瞬間のこの世の終わりの幻影に襲われる・・・
それまで、誰もが手をさしのべたくなるような美少年の雰囲気でいたのが、この最後の夕焼けの瞬間に、炎の中の幻影に襲われる激しい狂気の長い独白の演技が始まる。
この瞬間、それまでの凛とした美少年ぶりからの豹変に圧倒されてしまったことが忘れられません。
藤原君の俊徳は以前よりどう変化しているんだろう。今の藤原君の美少年役ぶりも楽しみだし、最後の独白の狂気の芝居も期待です。
日本公演の後、7月にNYの「リンカーンセンター・フェスティバル」でも公演が行われる。三島由紀夫自身がこの作品をNYにもっていきたかったらしい。でも結局実現することができなかったらしく、その作品を今回NYで演じられることにみんないろんな想いがあるみたいです。
藤原君もすごく何か縁を感じてるらしく、「弱法師」の作品自体が、三島由起夫自身の人生を重ね合わせた部分が多分にあると言われている作品なだけに、NYっ子達も23歳と若い藤原君の演技をかなり期待しているらしい。
藤原君も「ステージでは皆様の期待を裏切ることなく、必ず素晴らしい舞台をお届けします」とかなり気合い入ってたけど、きっとまたいつものごとく、蜷川さんにも追いつめられ、自分でも追いこんでボロボロの稽古してるんだろうなあ〜
「三島由起夫に恥じない舞台にしたい」といっていたから、それに恥じない舞台になるよう、悔いのないよう演じて欲しい。
もうあと何時間で初日の幕があきます。
私の観劇はまだ先だけど、やっぱりどきどきしちゃうなあ〜
無事に幕が開きますように!
▼「近代能楽集」
◎2001年版◎
▼「近代能楽集」
◎2005年版◎